”TOKYO”-世界中の誰もが知っている日本最大のメガシティ。そんな”TOKYO”の魅力はなんだろう?
かつて世界一の売り上げを記録した渋谷のスターバックスから眺めるスクランブル交差点。東京の新たなシンボルとして誕生したスカイツリー。
日本一地価の高い銀座。ヲタクの聖地-秋葉原。「カワイイ!」の発祥地-原宿。
でもあえてこれら全てを外してでも私がおすすめしたい”TOKYO”はずばり「古き良き日本を知る”TOKYO”巡り。」である。
とある外国人の友だちに言われた言葉。「”TOKYO”にはなんでもあるでしょ?」
確かにそうだ。大都会”TOKYO”は人とモノで溢れかえっている。でもそんな”TOKYO”の、”TOKYO”にしかない、古き良き日本を感じられる昔ながらの”TOKYO”巡りを私は提案したい。
文化遺産・日本食を支える縁の下の力持ち―築地
まず我らが「日本」という言葉から連想されるのは、ずばり「日本食」である。
外国人「どこから来たの?」
私「日本から」
外国人「僕/私は、寿司が好きなんだ。」
ベルリンに来てから何度こんな会話を交わしただろう?ドイツ人、ポルトガル人、ブラジル人、メキシコ人、コートジボワール人、フランス人、etc....
いろんな国の外国人とこの会話を交わした。今、それだけ日本食は世界に誇れる私たちの本当に立派な文化の一つとなった。そんな世界に誇れる東京の日本食を支えているのは、そう、日本中から本当に一番いい魚が手に入ると言われている”築地市場”だ。
まず、築地市場に足を運ぶなら絶対に見て欲しいものがある。マグロの”セリ”だ。
AM 5:00 – 築地の朝は早い。ズラーっと並ぶマグロ、マグロ、マグロ!一生のうち、一度にこんなに大量のマグロが見れるのは築地だけではないだろうか。
言葉が分からなくとも、そのセリ人と買い手のわずか数秒の間で行われる緊迫した日本独特の食のオークションはまさに”一見の価値有り”である。なんてったって2013年1月の初競りでは青森県大間産のクロマグロ222kgが1億5540万円で落札されたのだから。築地はまさに日本が誇る、”食”のマーケットである。そんな競りを見学した後はもちろん美味しい日本料理に舌鼓。全て天然物を使った寿司7巻・巻物一本・お味噌汁・がついて3500円の大和寿司名物のにぎり。つきぢ・松露の品揃え豊富な秘伝ダシを使った玉子焼き600円~、などなど、体がいくつあっても足りないくらい、築地では食べたいものがありすぎて目移りしてしまうだろう。
江戸情緒溢れる場所―浅草
築地で優雅なブランチを過ごした後は、江戸情緒溢れる”浅草”に立ち寄ろう。
日本人なら一度はテレビで目にする雷門から宝蔵門に至る250mの参道の両脇には活気溢れる”仲見世”がある。仲見世を構成している約90店舗にはお土産物から和装物、ペット用品までさまざまなものが立ち並ぶ。その店舗全てが東京下町代表と言わんばかり。日本人の性格を表しているかのような美しく統一された電飾看板、そんな看板の下に吊るされた趣のある提灯の数々。ただ歩いているだけでもいわゆる日本の”商店街”を感じ、ワクワクする気持ちを抑えることが出来ないだろう。また、三社祭りをはじめとし、ほおずき市や羽子板市など、毎月のようにお祭りが開催されているので、合わせてこれもチェックしておきたい。
そんな”仲見世”を抜けると目の前には都内で最も古い寺院とされている浅草寺が出迎えてくれる。左手には五重塔、右手には戦争や火災から唯一災禍を免れた国の重要文化財の二天門。仲見世の賑やかさとは打って変わってその厳かな雰囲気に心癒されるだろう。
浅草寺参拝後は言問い通りから柳通りや富士通りといった花街界隈を散歩してみよう。昔の面影は少なくなってきているが、見番を初めとし、ここでは江戸の”粋”を垣間見ることができる。運がよければ、芸妓に会うこともできるかもしれない…。
四季折々の風景を彩る屋形船
たっぷりと江戸情緒を浅草で味わった後は、東京の夜を最高な思い出にしてくれる”アレ”に乗ろう-そう、”屋形船”だ。
江戸時代からその原型があったといわれる貴族の遊びとして使用されていた屋形船では、現在、春はお花見、夏は花火、秋はお月見、冬はひんやりとした海風を感じながら、と日本ゆかりの四季折々の風景を楽しむことが出来る。そしてそんな四季を彩る風景の中に浮かぶ、東京の見事な夜景はスカイツリーや東京タワーから眺める夜景とは一味違った夜を演出してくれる。夜風に当たりながら、旬の天ぷらや刺身を味わうもよし、東京名物もんじゃ焼きを食すもよし。中にはカラオケセットを積んだ屋形船なども出船しているので、日本のいわゆる”宴”を楽しみたい人にはもってこいだ。価格はどれもだいたい1万円くらいと決して安いとは言えない値段だが、屋形船で過ごす夜はお金では買うことの出来ない最高の思い出を保障してくれるだろう。
自然と共に歩みを進めてきた日本人
以上が私のおすすめする「古き良き日本を知る”TOKYO”巡り」である。
あえて高層ビルや日本のテクノロジーを感じられるような場所を外したのには理由(ワケ)がある。
それは私の考える日本の一番大切な財産は四季を大事にし、人と人とのつながりを大切にし、人生を自然に感謝しながら丁寧に生きることを大事と考えている”日本人”だと思っているからだ。
例えば外国人がこの「古き良き日本を知る”TOKYO”巡り」で少しでもそれを肌で感じてもらうことが出来れば、日本という国がいかに素晴らしいかを知ってもらえることになるだろう。
そして母国に帰ったときにそれを広めてもらい、また日本に来たいと思ってくれる人がどんどんえ増えること-それが私の本望である。
東京観光お役立ちリンク→日本政府観光局